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今日はエイプリルフール
【「幸せのビット発見?世界の格差是正します」の解説】
米国発の経済危機が世界を襲い,日本でも雇用や今後の先行きへの不安が広がっています.
何よりも,「先が見えない不安」こそが,すべてを暗くしてしまっている原因なのではないでしょうか.
雇用や将来への不安は,多くの場合,社会不安の原因になります.端的に表現すれば,例えば,本来罪を犯すはずでなかった人が道を誤り,そして被害者を生んでしまうこともあります.そして,社会は対立と分断に向かいます.そこに幸せになる人はいません.
経済的豊かさと幸福度の関係については,多くの学者の研究により,経済的に一定の水準以下であると,幸福度が大きく下がる結果になるが,一定の水準を超えてくると,それ以上の増加は幸福度の向上につながらない,ということがわかっています.これは「幸福のパラドックス」と呼ばれます.日本はこれから経済的には厳しい状態が続く可能性がありますが,国民の助け合いで誰もが生活を維持できるだけの経済力はあるはずです.そのためにも,政府は雇用の確保やセーフティネットの維持に全力を挙げて取り組む必要があります.
世界の状況に目を向けてみると,経済危機により,先進国からの援助や観光客などに経済を依存する発展途上国において,より深刻な影響が懸念されているようです.社会保障が機能している先進国と異なり,貧困が直接命の問題につながるだけに,常に問題が立場の弱いほうへと波及する負の連鎖を断ち切ることができるか,人類の英知が試されているのかもしれません.
私たちは電気通信事業という分野で,皆様のコミュニケーションを媒介する仕事をしていますが,やはりこのような状況では,経済が活況のときと比べて,通信路を流れる通信の内容も,おそらく暗いものになっているのではないかと思います.ただでさえ暗いダークファイバがもっと暗くなってしまう,ただでさえ乾いた銅線が,ますます干上がってしまう,というのは悪い冗談ですが.
どうか,明るい通信を運ぶことができますように.
なお,念のため付け加えておくと,私たち電気通信事業者には,通信の秘密を守る義務が厳格に課せられており,今回の記事で触れたような方法で通信を解析する行為は,たとえ当事者が誰かを特定できないようにしたとしても,通信の秘密を侵害する可能性があります(インタフェースを通過する通信量の合計,といったようなものはともかく).
通信の内容はもちろん,相手方,日時,そもそも通信があった事実なども,漏れてしまえば重大なプライバシーの侵害になるだけに,すべて法律が定める「通信の秘密」により保護されるとされています.
そのため,皆様の通信が明るいのか暗いのか,なんていうことを私たちが知る方法はありませんので,ご安心ください.
【参考文献】
平成20年版国民生活白書(内閣府2008年)
※図1のグラフは,白書のp58にあるグラフを引用しました.
国境なき記者団・報道の自由ランキング(Reporters Without Borders, 2008)
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