新たな手法による児童ポルノのブロッキングについて
インターネットに流通する児童ポルノが大きな社会問題になる中,一部のISPにおいて「ブロッキング」という技術の導入に向け,準備が進められています.
いうまでもなく,児童ポルノは児童に対する重大な犯罪です.
「性的虐待の記録」ともいわれる児童ポルノは,製造のときに児童の心に深い傷を残すだけでなく,被写体となった児童には,いつ誰が自分の画像を持っているかわからないという,言葉にしがたいほどの恐怖に怯える人生を送ることを余儀なくさせるのです.
製造や販売などを行った者が法律に基づき厳しく処罰されるのは当然ですが,インターネットを利用した流通も多く行われており,各ISPなどにおいても,webサーバなどからの迅速な削除などを行っています.
ブロッキングは,それに加え,通信経路上で児童ポルノサイトへのアクセスを検出し,そのアクセスを遮断することにより,児童ポルノ画像を閲覧することを抑止する技術です.
現在の技術と問題点
現在の技術は,DNSやルーティングの技術を応用し,あらかじめリストに登録されたURLやサイトへのアクセスを検出し,リストに掲載されたURLやサイトに接続しようとすると,「このページは表示できません」のような警告ページを表示するものです.
しかし,この技術には現実問題としての抑止効果を疑問視する声も聞かれます.
ブロッキングの対象はあらかじめリストに掲載されたURLに限られているうえ,ブロッキングは画像の閲覧を強制的に遮断することができても,児童ポルノを閲覧しようとしている人に対する働きかけが不十分であるとされるのです.
人間工学的アプローチ
最終的な目標は児童ポルノをこの世から無くすことであり,ISP(接続プロバイダ)としての取り組みの最終目標は,「児童ポルノを閲覧しようとする人をいなくする」ことです.
ところが,児童ポルノ画像を閲覧しようとして警告ページが表示された場合,その人が次にとる行動は,別の画像を探すことではないかと考えられます.
この機会を捉えて,その人が二度と児童ポルノ画像を閲覧しようと思わなくなれば,以後,児童ポルノ画像の「需要」は確実に減少します.「供給」側の逮捕・処罰に加え,需要側に何らかの働きかけを行うことで,児童ポルノの流通が相当程度抑止されることが期待されます.
閲覧者への働きかけ
警告ページに,「児童ポルノがなぜいけないか」ということを訴えかける文章を掲載してはどうかと検討したところ,若干の抑止効果はあるものの,それを読んで考えを改めてくれるような人ばかりではないとの結論に達しました.
ブロッキングは民間事業者の取り組みのため,利用者に強い働きかけを行うことは難しいのが現実です.仮に「逮捕されます」と書いたところで,現時点で日本法では閲覧そのものが処罰の対象になっていない以上,意味を持ち得ないでしょう.
弊社はまず児童ポルノの閲覧者の傾向を調査することで,どのような働きかけがもっとも閲覧の抑止に効果的かを探ることにしました.
利用者の通信の内容は通信の秘密により保護されるため,研究目的であっても本来の目的(通信を相手方に到達させること)以外に使うことは許されません.
このため,公開されている資料などをもとに調査研究にあたりましたが,そもそも児童ポルノコンテンツは違法なものであり,その発信者や閲覧者の存在を民間の調査で調べることは困難です.次善の策として,弊社では一般のアダルトコンテンツの属性調査から行うこととしました.
アダルトコンテンツ属性調査
大手通販サイト「babazon.co.jp」の調査によれば,最初に購入したDVDと次に購入したDVDの間には,ジャンルの強い結びつきがあることがわかりました.
児童ポルノは違法であるため,販売実績を元にした調査は難しいものの,ここでは「JK」と呼ばれる,25歳〜40歳程度の女優がセーラー服を着て出演する作品を購入した人について,顕著な結果が見られました.
上表のうち,「JK」と「熟女」「デブ専」の間に,顕著な結果が見られます.つまり,「JK」に興味がある人は「熟女」「デブ専」に興味がないばかりか,むしろ嫌悪しているのではないかとの結果です.
「JK」と児童ポルノは,全く異なるものです.しかし,「JK」においてこれだけの結果が出るということは,さらに年齢の低い児童ポルノの場合,より顕著に結果が現れると考えるのが自然です.
※大人のポルノと児童ポルノの関係については,「解説」もご覧ください.
新しい手法によるブロッキング
特徴
弊社が開発した新しい手法によるブロッキングは,児童ポルノを閲覧しようとした人に「熟女」の画像を閲覧していただくことで,「このISPでは児童ポルノを見ようとすると熟女を見ることになる」ということを体で覚えてもらい,二度と児童ポルノに近づかないように働きかけを行うものです.
なお,この考え方自体は「精神的ブラウザ・クラッシャー」として既に知られています.
技術的手法
児童ポルノを熟女に変換するためには,通信路に「タイムフロシキ」を巻きつける手法が考えられます.
当初,単純にEthernetケーブルにタイムフロシキを巻きつけたところ,信号がフロシキを抜ける一瞬の間に50年〜60年分の時間を経過させる必要があることから,ケーブル自体が猛烈な劣化に見舞われ,通常であれば寿命を考慮する必要がないケーブルが数秒で寿命を迎えるという,深刻な問題が発生しました.
このため,Ethernetを一度赤外線に変換し,空洞上で丸めたタイムフロシキの中を赤外線で飛ばすことにより,電線の劣化の心配なく画像を変換することに成功しました. 空洞の空気も50年〜60年前の組成に戻るため,空洞に空気を流すことで地球温暖化の対策にもつながることが期待できますが,設置場所によっては現在よりも大気汚染が激しかった場合もあることから,将来的には装置内を真空にすることにも対応できる設計にしています.
前提として,データをタイムフロシキ経由の通信路と一般の通信路に振り分ける必要がありますが,当面は現在の児童ポルノブロッキングに用いられるDNS方式やハイブリッド方式の応用により通信路の振り分けを行い,今後は新たな手法を検討してまいります.
将来の展望
当初はタイムフロシキにより「熟女」への変換が可能ですが,さらに「デブ専」への変換技術を開発することで,より強力な抑止効果が見込まれます.
実施時期
タイムフロシキを持った英雄が東北地方に災害救援に出ていることと,22世紀デパートに買いに行くにしてもタイムマシンが電力不足で運休しているため,当面延期させていただきます.
解説はこちら
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